トイレの老朽化に伴って節水式トイレに取り換えるリフォームを考慮に入れる消費者が増加してきました。過去には1回に13リットルの水を利用していたとのことですが、近年の機種では概ね2分の1の6リットルで済んでしまうようです。節水だけに限らず節電効果が見込める機種も増加する中、排水の場所次第でトイレが狭くて使用できなくなる、トイレットペーパーを使いすぎて詰まってしまう、というトラブルがあるのも事実です。きちんと検討しなければ思い掛けない失敗がもたらされる場合があるケースも視野に入れましょう。こんな感じのトラブルを起こさない為にも、工事を注文する前に節水トイレの特徴や留意しなければいけない点を前もってきちんと見極めることが大事です。更に、節水トイレのリフォームを検討するときは、床材やクロスの張替えも併せて行う事がオススメです。気分を一新する絶好の良い機会だと考えられます。
節水式トイレとは?
1度で扱う水の量を格段に押さえたトイレが節水式トイレになります。これまでだと約10リットル~13リットルの水を利用するのが一般的でしたが、現在では約半分の6リットル~8リットルで流せるものが主流となっています。
1990年代迄は1回の洗い流しに13リットルの水を利用する機種が普通でしたが、2000年代に入る頃から各社は使用水量を大幅に削減した機種を次々に誕生させてきた歴史があります。
節水式トイレのメカニズム
基礎的なメカニズムは単純です。「サイフォンの原理」を活用しているわけですが、こちらは密閉された管の中の液体が高い所から低い所へと移動する原理で、冬になると用いる手動式の灯油ポンプと一緒のメカニズムと考えてください。
洋式便器の登場時は、ただ単に水の勢いだけを利用して流す「洗い落とし式」が主力でしたが、これは水を流すのみですので威力が弱く、汚れた状態を綺麗に取り去れないデメリットを持っていました。
このウイークポイントを大幅に向上させたのがこのサイフォン式で、節水トイレの具体化に繋がりました。
節水トイレのメリット・デメリット
水道料金を格段に節約可能な節水式トイレなのですが、メリットもありますしその逆のデメリットも存在するので整理してみることにします。
メリット
アイランドキ水道料金が節減できる
節水式トイレ一番のメリットは、水道料金の節減でしょう。機種などによって異なってきますが、1年間で最大1万5千円も節約可能な製品も存在します。月々1,000円超えの金額が浮けば、そのお金でお食事が1回楽しむことができることになれば、バカにできない金額となります。
節電も可能
思いの外浸透していないメリットでしょう。節水式トイレと前面に出しているので見落とし気味ではありますが、節電機能の備わっている機種も多数あるので要チェック。特に寒い季節の暖房便座に関しての終日通電は電気料金が気に掛かります。節水式トイレのリフォームを行うときには、並行して節電も考慮しましょう。
クリーニングがしやすい
節水式トイレは、少量の水で流せる様に表面が滑らかに加工を施されているので、汚れが取り去りやすくお掃除も負担が減ります。フチ無しトイレもメインになってきているそうなので、ショールーム等に立ち寄って実際に便器をじっくり見てください。
トイレ本体周辺のクリーニングも忘れられない注目点。中でも裏側は、なかなか手も目も行き渡りません。これらの問題を解決するには、タンクレストイレがお勧めできます。掃除の支障が出る立ち上がり型のタンクが無いので裏側にだって楽に手が届き、お掃除も楽チンです。
デメリット
詰まり易い
節水式トイレは使ってる水が少しの量ですから、詰まり易い傾向は見受けられます。排水溝が詰まるトラブルに対する対応策は存在しますが、常日頃大量のトイレットペーパーを流さないように気を使う必要はあると思います。それから、水圧が低かったり配管工事の接続ミスがあったりする状況も。工事業者決定の時には、この辺りの問題を理解しているか否かを確かめるべきです。
リフォームするケースでは費用が掛かってくる
「水道代が安くて済む!」とは言われるものの、リフォーム工事を1万円で完結させることは不可能で、数年掛けないと元を取ることは不可能です。毎月払うことになる水道代は安くて済むのですが、工事の際にお金は出ていきます。
節水式トイレを詰まり難くするテクニック
節水式トイレは詰まりやすい傾向が見られます。しかしながら、僅かばかりの気遣いを行ったり、詰まった際の対処方法を憶えたりしておくことによって大きなトラブルにはならないのでご心配されないで下さい。
トイレットペーパーは適正な量を流す
いっぺんにトイレットペーパーを大量に流すのは厳禁。これまでは13リットルで流していた物を6リットルで流すのですから、水量で言ったら昔の半分程度になってしまうためです。余分なトイレットペーパーを流すと詰まる確率が高くなるのでお気を付けください。
大量にトイレットペーパーを使う日々の習慣が抜けないケースだと、油断しているとトイレを詰まらせるトラブルにつながります。
水に流せるグッズを流さない
「水に流せる」とうたったお掃除シート等が見受けられますが、この類のアイテムは流さないのがベター。流しても溶けるには溶けますが、どうやっても時間が掛かってしまう為に詰まりが生じる原因になることが多いのです。多少面倒だったとしても、トイレ掃除に使用したシートの類は燃えるごみと一緒に廃棄してください。
節水式トイレが詰まったら重曹とお酢で解消
不用意に詰まらせても対応策がございます。重曹とクエン酸をお湯で溶いた物を流すのもそれらの中の1つ。
重曹(カップ1/4)、クエン酸(カップ1/2)、それに50度程度のお湯を用意したなら準備完了。そうしたらこれを流せば解決する事例が多いとのことです。
クエン酸を持ち合わせていない場合はお酢でも効果的です。ただし、熱湯は使用不可なのでお気を付けください。どちらとも100円ショップなどを利用して簡単に手にできる商品ですので、万が一のトラブルがあったケースでは試してみることをオススメします。
節水式トイレのリフォームの注意事項
節水式トイレのリフォームをする前にチェックして欲しい項目があります。水圧や排水形態などになりますが、工事関係者でなくては不明瞭な部分も存在するので契約前にリサーチしてもらってください。
水道の圧力が弱いと実装が困難である
節水式トイレのリフォームをする前にチェックして欲しい項目があります。水圧や排水形態などにな少量の水で汚物を洗い流すには、まとまった水圧が必須です。従来型のトイレはタンクに蓄えた水を一気に落とすおかげで流すパワーを獲得していますが、人気のタンクレス型に於いてはこれを水道の圧力で補充しております。
排水方法で設置可能であるトイレに制約がある
トイレの排水スタイルには床排水と壁排水がありますけれど、この2つでは節水量が異なるために気を付ける必要があります。
一戸建てによく見かけるのが床排水。便器の底から床に繋がっていますので、排水管は見ることができません。一方マンションでよく見掛けるのが壁排水。便器の裏側をの覗いてみると壁と便器が排水管で繋がっているのが見て取れます。
しかし、壁排水の方が扱う水の量が多いせいで、床排水だったら設置可能な節水式トイレだとしても壁排水だとカバーできない機種が生ずるので、とりあえずはご自宅の排水スタイルが壁排水か床排水のどっちであるかを確認しましょう。
トイレのリフォームを考慮する際、さしあたって想定できるのは工事金額やトイレそのものの値段でしょう。多くの皆さん同様な事を考えているのですが、イニシャルコスト(工事費)の方へは気を配るのにランニングコスト(水道代)にかけては見落としている傾向が高いんだそうです。節水式トイレによって水道代が浮くのはもちろんの事ですが、このタイミングで節電機能の採用も考察したいでしょうし、タンクレスにしてトイレの裏側においても手が届きやすくすると掃除も随分負担が軽くなります。
トイレは一年中使用します。使う水の量も相当なものとなります。節水式トイレを採用するお蔭で毎月の水道使用量もダウンするので、浮いたお金を他に回して潤沢にくらしませんか。